避難施設関係者事前研修

避難施設の運営に携わる方々を対象に、研修会を開催いたしました。

 

開催日時:

①2023年6月9日(金曜)13:30-16:00  59名

②2023年6月12日(月曜)9:30-12:00  41名

③2023年6月12日(月曜)13:30-16:00  45名

④2023年6月13日(火曜)13:30-16:00  53名

 

開催場所:町田市役所3階会議室

 

内容:講習、グループワーク、年間スケジュール作成ワーク、まとめ、質疑応答

 

#防災 #震災 #避難施設 #自主防災組織 #運営 #地域防災 #自助 #共助


6月9日(金)

グループワーク①:平常時の取組みについて

・成瀬中央自治会自主防災隊

コロナの関係で何年間か活動ができていませんでしたが、今年また再開しようと準備をすすめています。災害時の身の守り方や避難施設開設の手順など、その年その年でテーマを設定して取り組みを進めています。

今年は、発災直後の初動について、地震が発生した時に何をするのかをテーマとしており、各自治会単位から、そして避難施設としても11月に開催する共同防災訓練に向けて、しおりを作成するなど取り組みをすすめていこうと思っています。

また、しおりについては、自治会としても会員の方が減ってきているので、会員に限らず全世帯に向けて配れるように取り組みを進めています。

・上山崎町内会自主防災隊

町内会の防災マップを作成しました。この地図は、各家庭の名前や会員になっていない方の名前も入っています(あくまで地図からそのまま利用している形)。消火器の位置や井戸の位置、備蓄品の倉庫や避難場所なども記載しており、会員の方全世帯に配布をしました。このマップをみればどこに避難すればいいかすぐわかると思います。この町内会では、避難場所が山崎中と山崎小の2か所あるが、市のお話のとおり、どこにいってもよいと案内を進めている。

 

また、備蓄品の賞味期限を調べて一覧表にしました。毎年補充していく、あるいは期限が迫っているものはみんなにつかってもらう形にしていつでも使えるものを備蓄していくことを意識しています。

 

・相原中村町内会自主防災隊

相原の駅の近くの中村町内会です。

まずは、中村町内会だけのハザードマップを作成しました。町田市のハザードマップでは、地図の中で小さくなってしまい、個人レベルで見ると緊張感を感じることができないため、町内会単位で作成することで個々のお宅にハザードがかかっていることが見ることができるため、行動がおきやすい。住民はみんな心配しているが、具体的にわからないから行動にはうつらない、これが防災の現実だと思います。

そこで、我々は、東京都の読本を読み、わかんない場合は役員会や防災委員会のところにきてお話をしましょうということでやっております。

ここのグループでも、防災と町会が別々に動いてしまうということもあり、情報が共有できないという話がある。中村町内会の場合は、町会の組織の中の一つに防災、隊長が町会長という形をとっている。300所帯くらいあるので、町会を20班にわけられており、班ごとに班内の方々をフォローしてもらう形にしており、「あのおじいちゃんは耳が遠い」といった情報を知っておくことで、大きな声で話しかけるなど意識できる。「顔の見える防災」をキャッチフレーズに、大事なのは地域のコミュニケーションである。挨拶(おはよう、こんにちは)ができれば、防災力が高くなると思う。日常の生活の延長の中に防災があることを強く訴えてきいる。その中で、回覧板のときも、「おじいちゃん元気―?」と一言挨拶するだけでも変わってくる。防災には切り口がたくさんあると思う。

その他、町会未加入者にはやはり理解してもらうことが始まりだと思います。防災カードや安否確認ボードを作成しており、「無事です」と掲示するなど避難所にこなくても大丈夫だ、と表示できる取り組みを行うと、日常から少しでも安心できる防災の取組みをやると賛同してくれる人が多いと思う。

グループワーク②:今後の取組みについて

・小山田桜台

地域としては、常盤と小山田桜台から構成されており、小山田南小や小山田中を避難施設としている。それぞれ異なる地域が連携し、情報共有することが今後必要になると考える。

 

・上山崎町内会自主防災隊

近くの避難施設としては、山崎小等が該当する。取組みとしては、地域で楽しんでもらい、その延長として防災に関心をもってもらえばよいと思い、8月の終わりには、花火を行ったり、秋には焼き芋をしたり、楽しんでもらうところから町内会の取組みを知ってもらえればと思う。


6月12日(月)午前の部

グループワーク①:平常時の取組みについて

・金井町内会自主防災隊

これといって特段特別な取り組みをしているというわけではなかったが、倉庫に備蓄をしてみたり、防災訓練を定期的に行っている。コロナの関係でなかなか実施はできていなかったが、今年度はやっていこうかという声が多かった。

金井町内会としては合同防災訓練として、13の自治会と協力して11月のはじめに実施している。だいたい500名程度集まり、初期消火やAEDなどの訓練を実施している。

また、金井中学校の避難施設開設訓練において、夜間訓練を行った。夜の19時集合で行い、金井中に集まる道中の危険個所を発見してもらいながら、避難する体験を行った。また、建物の点検や倉庫の点検だとか、学校内の暗さやちょっとした段差など、日中の明るい時間帯では気づかない内容が多く、参加者同士が協力する姿勢も深まった感じがしたので、訓練自体は簡単な内容ではあったが、とても良い経験であった。

 

(参加者から質問:夜間の訓練は学校が許可をしたのか。)

 金井中学校の校長先生が快く承諾してくれたため、夜間使用が実現した。

 

・大蔵町内会自主防災隊

大蔵町内会では、自主防災隊が25名おり、平常時の取組みは、防災訓練が年1回、避難開設が年1回、年末の防犯防災パトロールが年1回であり、2年交代で担っている。

昨年、避難施設開設訓練を行った反省などを踏まえ、昨年は不慣れであったが、1つの担当で終わってしまうとそれしかできなくなってしまうため、全部持ちまわりましょうということで、今年は2回やりましょうとなった。その他、回覧などで啓発活動を毎月一回行っている。

各イベントや防災訓練のときに、発電機を点検したり、防災訓練の際など、来てくれた子どもたちには水やアルファ化米などを配って食べてもらったりなど行っている。

 

グループワーク②:今後の取組みについて

・中原自治会

 去年の3月11日に安否確認訓練を行いました。この安否確認訓練は決められた日の決めた時間までに、大丈夫な人は玄関にタオルかハンカチを掲げてくださいということで、各班長が自分の持ち場の会員のところのチェックに入り、確認をする。かかってないひとについては、チャイムを鳴らして、いるのかどうかを確認した。発災時、家の中で、動けず下敷きになっていることがあるかもしれないときに、チャイムを鳴らせばそれに対して声は出せるだろうということで鳴らすことにしている。約200世帯のうち確認が取れたのは約50%で、この取り組みを共有したところ、忠生第三小避難施設の運営委員会でも、やったらどうだという話になったので、もう少し詳細を詰めながら実施を目指したいと思う。

 

・鶴川四丁目富士見会

 真光寺中と鶴四小のグループで行いました。先ほどから話していたが、大きい町内会、小さい町内会あり、町内会自治会の規模によって活動の形がそれぞれあると感じたが、このような場で情報共有したことで、やはり合同で訓練をしたほうがいいのかなと思考転換しかかっている。

 ワークシートの中で、一番心配なことについて、ひとつだけ選ぶのは難しいなという思いがあるが、実践的な訓練不足に〇をつけたが、そのなかで、スタッフがなかなか集まらないんじゃないかというのもあるし、今後の訓練に対する姿勢をどう導いていくか、課題は多いが、近隣の自治会同士で合同実施することがひとつの方向性としてこのグループでは共有されました。


6月12日(月)午後の部

グループワーク①:平常時の取組みについて

・つくし野地区グループ

つくし野1・2丁目自治会、2丁目、3丁目、4丁目で話し、4自治会合同で訓練を行っている。つくし野地域では高齢化が目立っており、いざとなったら何もできないが…せめて安否確認くらいはしようということで4つの自治会では無事ですプレートを出すのを年に2回行っており、割と定着している。無事ですプレートを出して、安否の確認を行っている。

何が問題かというと出てないところに、だれがいるのかわからない、そのためには要支援者を確認しなければならない。毎年班長が代わるのでその情報共有が難しく、みんながみんな知っておく必要がなく、班長が知っておけばいいだろうということで取り組んでいる。

 日ごろの訓練で問題になるのは、スタンドパイプの取り扱いになかなか慣れないことがある。あとは、AEDの訓練も行っていきたいと思う。

 

・金森市営住宅

私自身、秋田沖大地震を経験しており、津波で死者が出ている地震でかなり揺れが大きかった。阪神淡路大震災で何が困ったかというと、トイレが困ったという記事を見たことがあり、備蓄していた割合は約20%だという。そこで、住民には、トイレ10回分、アルファ化米をあわせて配っている。

防犯防災の基本は人間。物がそろっているからいいというわけでないと思う。過去の震災で死者が出なかった地域があり、そこは町内会が活発であったという記事をみたことがある。

いざとなったら、ある程度パニックになることを前提として活動する。

また、地域の草刈りなど、とにかく人に出てきてもらうために、作業してくれた方には謝礼をお渡ししたり、QUOカードをお渡ししている。

グループワーク②:今後の取組みについて

・小川高校

小川高校を避難施設としている。マニュアルはできているが、マニュアルに基づいて、実際の設備等をつかった避難訓練をやっていないので、今年実施したい。

ただ、問題となるのは、中枢を担う人が老齢化しており、体が動くうちに、若い人を引きずり込んで実施したい。10月に開設訓練を予定して、11月に地元の小川高校と一緒に訓練を行う方向で調整していき、なるべく参加者を増やして、若い人に参加をしてもらうことを目標としています。

 

・南中学校

 南中学校を避難施設とするグループで、西田町内会の会長をしています。いうまでもなく、コロナの感染で3年間ブランクになってしまったので、顔も知らない方が多くなった。この3年のブランクをいかに取り戻すかがテーマだと思っているので、もう一回思い返して、2019年のマニュアルから進化していないので、たたき台にして、2019年にかえって、ブランクを取り返そうということで、共有した。

避難施設開設運営マニュアルのおさらいをして、資器材は何があって誰がどう使うのかを振り返りたい。

また、情報の伝達はこれまであんまり気にしていなかったが、お年寄りの方が増えてきているのにどうやって情報を伝達していくかが主眼になっていくかと雑談ながら話していました。

早ければ8月に連絡会を開催して、10月には合同防災訓練を南中学校の体育館で予定しております。

それから、11月には実際に開設訓練を実施したいとスケジュールを立てております。

 

・鶴間小学校

鶴間1,2,3丁目、鶴間の自主防災組織の2グループです。基本的な考え方は共助というのがコアにあって、阪神淡路大震災でも共助が大部分であったといわれている。共助を核にして、自治会と自主防災組織と福祉ネットワークのトライアングルで、有機的に機能していこうというのが鶴間です。

 自主防災の手引きなどは10年前から作成しており、手引きは改修の最中で、700所帯ある中で、加入所帯は404所帯(約60%弱)で、それぞれブロックに分けており、班長等を担ってもらっている。年に1回、鶴間小で本部の訓練を実施しているほか、ブロック内訓練をやりたいと思っている。エリア内で怖いのは、土砂崩れなどはないが、火災であり、放任火災である。どこに何があるのかを再認識、安否確認、初期消火訓練、スタンドパイプが4基ある。消火栓をあけて、スタンドパイプを設置できるようにする訓練をする。

やらないとわからない。実際に体験するとコミュニケーションがうまれる。南町田自主防災組織では10年かけて平均備蓄が3.6日で7日を目指している。

45年前にできた団地もあるので、顔を知らない人同士もまだまだいる。挨拶運動から初めて共助しようよと声かけている。

 被害想定など東京都の発表の数字をしっかりと伝えることが大切で、人間の基本行動原理で、ノーニーズの時は情報が素通りしてしまう。体験した方はわかっているが、体験していない方は「あら、大事ね」で終わってしまう。事実と向き合わせることが必要で、なぜ初期消火なのか、なぜ7日間なのかと耳にたこができるほど、チラシも発行しており、今後も初期消火を訓練していこうと思っています。


6月13日(火)午後の部

グループワーク①:平常時の取組みについて

・芝好園自治会自主防災隊

こちらのテーブルは、町二小が避難施設になっている方が主で、町一小や町二中の方々がいる原町田地区のグループで、まずは防災マップに消火器の位置だとか避難方法とかを会員の方に配っている組織がある。

また、訓練を行うにあたり、アルファ化米を配る練習などをしながら、交換時期を確認し、それだけでなく、パンにかえるなど、災害時でも飽きないような対策をとられている。あとは、各自主防災隊によっては、個人でなるべく備蓄するように伝達されており、常に確認されている。

また、年に一回、町田消防署にお願いして、防災の講演会をお願いしている組織がある。

災害はあったかい時に限らず寒い時にも来るということで、備蓄の中で毛布だとかアルミシートを備蓄するなど、寒さ対策で火をおこす練習を子供たちにできるようにしたいという意見もあった。

あとは、自治会長が頻繁にかわったり、避難施設の先生方も転勤したり、意思の疎通が取れなくなるので、連携も密にとったほうがいいんじゃないかという意見。訓練は夏だけじゃなく、冬もした方がいいという意見があった。

 

・南大谷町内会自主防災隊

南大谷小中学校避難施設の委員長です。このグループは町田第五小と南大谷小中が集まっています。毎年5月に町内方の名簿を作る。その中で男女比がわかるような形で作成することで、先ほどの講習内であったトイレの問題などにスムーズに対応できることを想定しています。もちろん、個人情報の問題はありますが、防災にのみ使用するきまりで、ごく一部の役員しか持たない。

実施する理由としては、事前受付で情報を全部聞いていては、かなり時間がかかってしまう。ただ、今年から、男女比は班ごとに取ればよいのでは、という意見が出ているので検討中です。

また、スタンドパイプの整備も進めていたり、町内会の物品を消防団の建物内に入れさせてもらったりと何がどこにあるのかを把握している。

町5小グループは、避難者が多く大変だという話が出ている。なるべくどこの自治会町内会も公平に使えるようにしてほしいという意見がでていた。

グループワーク②:今後の取組みについて

・都立町田高等学校

都立高校の場合、なかなか市が自由にできない部分もある。私たち地域もあまり中に入ったことがないのが現状である。備蓄倉庫に何が入っているか等も怪しく、体育館の確認をしようとした時も、部活道具が置いてあったり、なかなか全体の広さを把握できなかったことがあった。

また、震災はどんな時間帯に起きるかわからず、深夜であれば、地域主導で動けるが、学校の中に生徒がいる時間帯に震災が起きた時に、どのような対応となるのか、過去に話し合った経緯があるのかもしれないが、合同での避難訓練ができるかどうかなど、今後連携を深めていきたい。

 

・町田第五小学校(玉川学園町内会)

 町田第五小学校は、玉川学園町内会、第一自治会、興人自治会、桜ケ丘自治会が関連しながら、活動しております。普段から、地域の中の幼稚園保育園やころころ児童館とつながり、合同防災訓練を実施している。園児たちをいかに守るか、一緒になって取り組んでいる。

町5小は避難者数が収容人数を上回っており、大きな問題を抱えているため、なんとか解消したいと、市とやり取りする中で、野外テントを活用した避難生活できるような環境を作ろうと進めている。今年は野外テントを使った実証実験を町5小で実施することになったので期待している。

 実証実験の中で、テントをどこにたてるのか、水・食糧、トイレなど解決しなければならない課題が出ると思うが、地域住民も含めて参加していきながら解決していけたらと思っている。

 また、玉川学園町内会では、木造住宅密集地域が指定されているエリアがある。5月の被害想定の見直しの中でも延焼火災の危険性が高いといわれている。消失する住宅が多いとされており、そのあたりも含めて、消火器、火災警報器、感震ブレーカー、この3つを全家庭に設置できるような取り組みを始めたいと思っており、年内に立ち上げられるように関係部門との調整をしていきたい。


※各発表内容についてはホームページ公開用に、一部、文言を加筆修正をしております。

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